万城目学さんの「ヒトコブラクダ層戦争」を読んでの感想です。
ネタバレは含んでいませんので、未読の方も安心してお読みください。
あらすじ
榎土梵天、梵地、梵人は三つ子の三兄弟。自分たちが謎の能力「三秒」を持つことに気づき、貴金属泥棒を敢行。大金を手にした梵天は、ティラノサウルスの化石発掘の夢を抱き山を丸ごと購入した。だが、そこにライオンを連れた謎の女が現れたとき、彼らの運命は急転する。海を越え、はるか砂漠の地にて、三兄弟を待ち構える予測不能の超展開とは!?
登場人物
榎土 梵天(えのきど ぼんてん)
榎土三兄弟の長兄。三兄弟の中では父親のような立場で、家計を支えるため中学のときから働いている。
小さい頃から化石を発掘が好きで、日本で新種のティラノサウルスを発掘することを夢見ている。
「三秒」を使ってあらゆる物体をすり抜けて見渡すことができる。
榎土 梵地(えのきど ぼんち)
榎土三兄弟の次兄。幼少期から成績優秀で、梵天の勧めもあり大学院で考古学の研究をしている。
イラクでメソポタミア文明の遺跡を発掘することが夢で、得意の語学を活かし東京オリンピックでイスラム語の通訳アルバイトを始める。
「三秒」を使ってどんな国・地域の言語も聞き取ることができる。
榎土 梵人(えのきど ぼんど)
榎土三兄弟の末弟。三兄弟の中でも身体能力に秀でており、高校時代の部活動では年代別代表に選出されるほどの実力を持っていた。東京オリンピックを目指していたが、膝に大怪我を負ってしまい選手生命を絶たれてしまう。
「三秒」を使って三秒後の未来を予測することができる。
感想
古代メソポタミア、イラクの地で繰り広げられる、冒険・SF・ファンタジーがごちゃまぜになったような本作。
特殊な能力を持った三つ子の三兄弟が、「ライオンを連れた青い服の女」に振り回されるように古代の都を駆け回ります。
本作は上下巻の2部構成となっています。上巻では三兄弟のそれぞれの生い立ちやイラクに向かうまでの道のりが描かれており、下巻では「ライオンを連れた青い服の女」が三兄弟をなぜイラクに導いたのか、三兄弟がなぜ「三秒」のチカラも持っているのかが明かされます。
上下巻合わせて1,000ページを超える長編となっているため、Audibleでながら聴きするのもオススメです。